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読書講座を終えて [千春・永澤]

読書講座を終えて、ご挨拶とご報告、

かねてから、「国語力を鍛えることが全ての学習につながる」と、
問題文を自分で何度も読み、その内容を読み解く力を育てる方針で各授業を行ってまいりました。

と同時に、勉強の枠を超えて、普段、自分が手にする本より、ほんの少し年上の子が読むような、語彙が豊富で、ストーリー性の高い優れた本を皆で読み解き、その面白さを子供たちの視点で、議論するような「トゥッティ読書会」を開きたいと準備を進めてきました。

人は言葉を介して先人の知恵を後世に残し、活かすことはもちろん、人と人の心もかかわりも、すべて言葉
に置き換え表現、共有していきます。活字離れが問題となる現状を憂いてばかりはいられませんね。

また、中受で取り上げられる高度な水準のすぐれた作品を、「国語を伸ばすのは時間がかかる」「国語より最後は社会で採る」などと、ご都合主義で語らないためにも、中受の問題として出会う前に、優れた文章に触れ、理解し、その感想を書くことを、純粋に楽しみたいと思います。

永澤講師が、昨日、参加者全員の感想文の添削を終えました。ふたりで、子どもならではの発想に唸ったり、大笑いした時間がとても楽しかったです。
きっと、永澤講師の「何を感じてもいい、文章を書くことに自信を持てるように…」と
願う気持ちが、子供たちに伝わることを祈っています。
                                                     室長・田村千春    

こんにちは。国語力養成講座を担当しました、永澤です。

今夏は3~6年生対象に、全4回講座をおこないました。
『星新一のすこし不思議傑作選』『ゲド戦記』『星の王子さま』『子どものための哲学対話』などを課題図書に、みんなで内容を読み進めてきました。

”読書”そのものを目的とする講座は、他の塾でもなかなか見られない試みだったため、担当者としても 子供たちがどのように受け取ってくれるか未知数なところがありました。
本を読み、それを通じて感じたことをアウトプットするという行為は、読書感想文を苦手とする子どもが多いことからも実感されるように、あまり楽しいものと思われていないからです。

しかし、実際に講座をおこなってみて、子どもたちがとても楽しく受けてくれて、驚きました。

5,6年生の授業では『ゲド戦記』を二回にわたって読みました。
ゲドが、自分の未熟さゆえに自らの”影”と戦いを強いられ、最後にその影と正面から向き合うシーンはとても難解で奥深いものでしたが、みんなきちんと話についてきてくれました。

3~4年生のクラスでも、みんなワークシートの感想文を一生懸命書いてくれました。
『星の王子さま』は、おそらく、3~4年生のみなさんは、まだあまり触れたことないような高度なお話だったと思います。
バオバブの木の話、キツネとの友情の話、バラに対する愛情の話。

ワークシートの感想文を読んでみると、みんな驚くほど物語の本質を的確につかんで、じぶんの感じたことを一生懸命、言葉にしてくれていました。

王子さまが、キツネやバラの花とお別れする悲しいシーンでは、みんな自分の体験や想像をもちいて、
自由に感想を書いてくれました。中には「キツネがしゃべったり、泣いたりするのが不思議です」
と書いてくれた子もいて、「その視点があったか!」と大人にはない視点にくすりとしてしまいました(笑)

小学生の、特に低学年くらいの年齢では、文章を書くテクニックをたくさん身につけるよりも、
文章から読み取ったことを楽しく書くことのほうが、ずっと大事です。
強制されて義務的に書いた文章よりも、ほんとうに物語から感じたの”おもしろさ”を書きだそう
としている文章には、伝わってくる力があります。
今回は、何人もの子にそれが見られて、とても嬉しく思っています。

今回5,6年生の講座で読んだ本の中には次のような箇所がありました。
「根が明るい人っていうのはね、いつも自分の中では遊んでいる人ってことだよ。
勉強しているときも、仕事しているときも、なにか目標のために努力しているときも、
なぜかいつもそのこと自体が楽しい人だな。」(永井均『子どものための哲学入門』)

宿題になっているから、受験で指定科目になっているから、という理由だけで
本や文章を読んだり書いたりするというのは少しさびしいことです。
みなさんには、文章をきっかけに「遊ぶ」ことができる人になってほしいと思います。

また冬に、別の本で読書講座をひらく予定です。
みなさんにまた会えることをお待ちしています!!  永澤佳祐

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