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大学入試改革について [千春・永澤]


こんにちは!イベント続きで大忙しのこの秋も、はや中間テストが終了し、いよいよ2学期も
後半戦に突入です。

そこで、先月の個別資料として添付した大学入試改革に関する記事を今一度、皆さんと一緒に確認していきたいと思います。今月はこの記事の第2弾をお届けします。

 昨今取り沙汰されている大学入試改革は2020年から実施の予定ですが、もうすでに有名大を中心に入試問題が、自由度の高いハードな記述力・思考力を問う問題にシフトしつつあります。 

中高生の皆さん、学習は一日にして成らず、です。学習計画を立てることはもちろん、それを実践していくのは、自分自身だということを自覚しましょう。ぜひ、ご一読を!!

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「2020年を待たずに、大学入試問題がどんどん変わり始めた!現役高校生にも影響大の新たな傾向と対策」

 早稲田大学他、2020年を待たずに入試が変わり始めた  

大学入試改革は2020年にスタートします。ではいまの中学3年から高校3年生までは、この大学入試改革が関係ないかというと、それは違うようです。早くもこの春の大学入試問題に、2020年を先取りしたような問題を出す大学、入試改革を始めた大学が出てきました。

 たとえば、英語です。英語4技能テストとして、外部の民間資格試験を英語入試の代替とする動きは昨年度からすでにあらわれていましたが、2017年度入試では早稲田大学でも導入されます。
文化構想学部・文学部などは、英語4技能テスト(TEAP、英検、TOEFL)のいずれかにおいて基準を上回っている受験生について、一般入試の国語・地歴の2教科の合計得点により判定する予定です。
 さらに早稲田大学では、2018年度以降の入試から、複数学部で「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」を新規導入する予定であると公表しています。
 内容についてはまだ明らかにされていませんが、「学力型AO入試」と称していますから、論文形式、口頭試問スタイルになると容易に想像がつきます。これらのプランは、当然ながら、他大学の独自入試改革にも大きな影響を与えています。今年の2016年度の入試から、多くの大学が、2020年度の大学入試改革や次期学習指導要領を見越して、はやくも各大学個別の独自入試を創意工夫してます。全面的変化とはいかないまでも、2020年度の大学入試改革が、来年からの大学受験生にも無視できない、影響が出てきたのです。


名古屋大学法学部の強烈な問題

 では、2020年度の大学入試はもちろん、来年度からの入試の変化のヒントになりそうな大学入試問題を、2016年度入試から紹介してみましょう。
 名古屋大学法学部前期試験の小論文は、圧巻です。
 まず10,000字以上もある、憲法学者の専門的な講演録「国家・主権・地域―あるいは言葉の信じられない軽さについて」(石川憲治著)を読破したうえで、2つの問いについて論述を求められる問題です。新学習指導要領のコアでもある学力の3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」をフル稼働しなければならないタイトな問題だと思います。

 問1 筆者は、「主権国家・非主権国家・自治体」という三元的な国家把握が、どのようにして形成された考え方だと述べているか。400字以上600字以内で説明しなさい。

 従来からあるタイプの小論文問題との違いは何でしょう?
 たしかに、問1はある意味、要約問題です。そして問2は、その要約を前提に、自分の考えを述べるというスタイル。今までと大きく変わりません。
 しかし、求められる要約からして、大きく違うのです。
 これは受験生に、自分が生きている時代が、もはや伝統的な国家把握ではとらえられない構造変動の時代に位置していることを振り返るところから始めているのであり、文章の要約と言うより歴史的な流れの要約をしなければなりません。

 それではあなたはどう考えるのか、伝統的な考えは実際通用しなくなっているのではないかと突きつけ、さああなたはどうするのか、どう生きていくつもりなのかを問うているのです。
 あなたの「自分軸」を示しなさいと要求する強烈な問題なのです。
 従来の小論文の場合、すでにいくつかの選択肢があって、どちらを選ぶのか、理由も考えて解答する類のものが多く、そこには「自分軸」がなくてももっともらしいことが書けました。
 しかし、18歳以上に選挙権を付与されるという現実的な変動の時代に直面している受験生にとって、自分たちの国のカタチをどうとらえるのか、どう創っていくのか思考し判断するための「自分軸」づくりは待ったなしの時代がやってきたのです。

 昨年の文部科学省の審議会「高大接続システム改革会議」以来、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のサンプル問題が公開され、大いに注目を浴びています。
 その中で、最も重要な点は、大学入試センター試験が廃止されることによって、これらの新テストの形式はどうなるのかという行方ですが、それは、2つの「記述」式問題を新たに設定するということです。
 先ほどの「自分軸」を表現する問題は「自由度の高い記述」です。「各大学個別の独自入試問題」はこのパターンが増えるでしょう。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を問う様々な問題の中に、“Who are you ?”と受験生の価値観を問うような問題が姿を変えて設定されることになるのです。


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