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3学期スタート!! [千春・永澤]

この冬の寒さに負けじと、冬期講習に励んだ皆さん、
明日からいよいよ3学期が始まり、
模試、漢検、英検、入試本番と試験が目白押しのスタートです!

1月10日から埼玉私立校の受験を控えた小6生たち、
今日も元気に目いっぱい最後の追い上げをしました。
不安になるのは皆、一緒です!

間違いたくないから…、早く解きたいから…と、
前かがみになっていくみんなに、
その気持ちが焦りに変わらないよう、
明日は最後の仕上げをします!

皆を応援する中高生の先輩たちも言っていました。
「本当に間違いたくなかったら、慌ててなんていられないよね、
 自信を持って問題をよく読み、細心の注意をはらうこと!」
忘れないで、いざ、出陣!!

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大学入試改革について② [千春・永澤]

 こんにちは!各学校の期末テストも終わり、続々と結果が返ってくるころとなりました。
 テストの出来具合はいかがだったでしょうか?トゥッティ学習教室では、冬に特別追加個別授業、Eトレなどの講座を用意しています。2学期までの学習で積み残しのないよう、この冬でしっかり復習し、先に進んでほしいと思います。

 さて、今回もまた、先月の個別資料として添付しました大学入試改革の第二弾目の記事を皆さんと共有したいと思います。石川一郎さんの『2020年の大学入試問題』(講談社現代新書)という著書からの抜粋です。ちょっと長いですが、ぜひご一読ください。


「学力の3要素」と3段階の選抜方法
 大学入試問題で、学力の3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を評価するということは、学びの質が根本的から変わるということを意味します。そして、教育再生実行会議や中央教育審議会などの報告書によると、「知識の再生を1点刻みに、一度限りの結果で問う評価からの転換」を行い、学力の3要素に対応し、学びの意欲、人物を重視した評価を目指すということになっています。
 1点刻みの評価からの脱却とか知識偏重という表現は、知識悪玉論にすぐに流れていきますが、そもそもそんな知識論から脱却しようというのが、文科省の狙いです。
 一つの知識という「点」ではなく、そこから広がるネットワーク情報をいかに立体的に関連づけられるか、その関連づけの学びの体験やそれを通して生徒がどう成長したかまで、つまり学びのプロセスを評価する入試問題に大転換しようということなのです。
 一度限りのテストで終わってしまっては、学びのプロセスを見ることができません。また、今までの知識再生型の学びに、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」の学力まで評価するとなると、学びの過程で生徒自身が自分の弱みや強みを振り返りながら、学びの方法を改善していく必要があります。その成長が、学びのプロセスにもなるわけです。
 「赤い風船」の意味は?
 2015年1月、順天堂大学医学部の入学試験で、こんな問題が出題されました。いわゆる一般的な小論文形式の入試問題です。

《キングス・クロス駅の写真です。あなたの感じるところを    img_3cd73b4bfb734800ed26e66ddc65c407616278.png
 800字以内で述べなさい》

 問題の写真というのは、この本の表紙カバーに使用されているものです。写真の中央には、おそらく地下鉄であろう駅の長い階段。日本にはあまりない洞窟のような階段です。
 写真の上の方には、下を向きながら少し暗い駅構内の階段を上り切った長いコートを着た後ろ姿。右下には手すりに結びつけられたような色鮮やかな2つの「赤い風船」が映っています。
 この入試問題は、教育関係者の間で大変な話題となり、さまざまな解釈がメディアを賑わせました。医学部の入試問題ですから、医者の資質や素養のある人材かどうかをみようというのが、大前提だろうということは想像できます。階段の向こうに希望を感じさせるという捉え方もできそうですし、赤い風船にこの男は気づかず通り過ぎていることを何かの象徴と見ることもできる。この男が、赤い風船を巻き付けていったと解釈するのもアリかもしれない。これは正解が一つではない問題です。
 今まで正解が一つしかないような「問い」ばかりが並びがちだったのが、典型的な大学入試問題です。当然、大学合格のためには中学・高校の学び方は知識の暗記が重要でした。「赤い風船」の問題を見たとき、あらためて、大きな転換が近いのだと実感することになったのでした。

知識をスイッチにして思索にふける     
 1点刻みで「知識」の多寡やいちはやく「知識」を引き出せる力を測るテストからの脱却などと言われる一方で、そうは言っても基本的な「知識」が定着していかなければ、「思考力・判断力・表現力」など十分に力を発揮できないのではないかとも言われます。
「知識」ではなく「思考」が優先するのであるか?まずは「知識」が「思考」に優先するのであるか?さあ、どちらでしょうか?
 実は、この「知識」か「思考」かという発想それ自体が、従来の入試制度の枠組み内にある問いの設定です。ですから、この問いの設定自体から抜け出すことが2020年大学入試改革の出発点だと考えたほうがよいのです。
 ではどう考えるのか、どう問いを設定するのかということですが、かのアインシュタインは「イマジネーションは知識より大切だ」と言っています。ノーベル賞作家の大江健三郎さんは東大へ一浪して進学しているのですが、現役で受験したとき、不合格だった理由としてこんなことをいっているのです。「アレキサンダー大王の問題に遭遇したとき、その歴史の壮大な躍動のシーンが一気に想像の世界に広がり、気づいたら問題を解かずに終わっていた。それで次の年は、想像を封印して立ち臨んだら合格したのです」。ここに2020年大学入試改革のヒントがあるのではないでしょうか?「知識」を丸暗記するのではなく、このように、知識をつめた先にある、創造性を伸ばすことの重要性をここから学ぶことができます。


≪冬期講習(12/25~12/29・1/5)の各講座のお知らせ≫
冬期特別追加個別
学校の授業内容が進まないこの冬休みに、2学期の苦手単元復習や、3学期・自学年に向けての予習などを進めていきます。受験を控えた高校生は、入試対策をどんどん先へ進める時期です。ぜひご参加を!授業希望の日時はご相談ください。

読書力養成講座
指定の課題書を読んで意見を述べあったり分析を書いたりして本を楽しく読み込みます。学校の教科書を読むのとは違った読書の楽しみを共有し、読解力の養成を図ります。
Sクラス(中学生3年~高校生対象)Aクラス(小学6~中学2年)Bクラス(小学3~5年)

「英検対策個別コース」(英検5級~2級対象)
実際に英検で出題された過去問題を一日ごとに、問題形式別に演習します。
各問題形式に沿った英検問題の解き方を指導します。

「Eトレ講座」(小学生~高校生対象)
パソコンを使ったプリント学習により、自分の苦手な教科・単元に絞った勉強はもちろん、目的に合わせて、予習や、受験対策にも大いに活用できます。学習において大切な「演習量」の確保にピッタリです。

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大学入試改革について [千春・永澤]


こんにちは!イベント続きで大忙しのこの秋も、はや中間テストが終了し、いよいよ2学期も
後半戦に突入です。

そこで、先月の個別資料として添付した大学入試改革に関する記事を今一度、皆さんと一緒に確認していきたいと思います。今月はこの記事の第2弾をお届けします。

 昨今取り沙汰されている大学入試改革は2020年から実施の予定ですが、もうすでに有名大を中心に入試問題が、自由度の高いハードな記述力・思考力を問う問題にシフトしつつあります。 

中高生の皆さん、学習は一日にして成らず、です。学習計画を立てることはもちろん、それを実践していくのは、自分自身だということを自覚しましょう。ぜひ、ご一読を!!

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「2020年を待たずに、大学入試問題がどんどん変わり始めた!現役高校生にも影響大の新たな傾向と対策」

 早稲田大学他、2020年を待たずに入試が変わり始めた  

大学入試改革は2020年にスタートします。ではいまの中学3年から高校3年生までは、この大学入試改革が関係ないかというと、それは違うようです。早くもこの春の大学入試問題に、2020年を先取りしたような問題を出す大学、入試改革を始めた大学が出てきました。

 たとえば、英語です。英語4技能テストとして、外部の民間資格試験を英語入試の代替とする動きは昨年度からすでにあらわれていましたが、2017年度入試では早稲田大学でも導入されます。
文化構想学部・文学部などは、英語4技能テスト(TEAP、英検、TOEFL)のいずれかにおいて基準を上回っている受験生について、一般入試の国語・地歴の2教科の合計得点により判定する予定です。
 さらに早稲田大学では、2018年度以降の入試から、複数学部で「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」を新規導入する予定であると公表しています。
 内容についてはまだ明らかにされていませんが、「学力型AO入試」と称していますから、論文形式、口頭試問スタイルになると容易に想像がつきます。これらのプランは、当然ながら、他大学の独自入試改革にも大きな影響を与えています。今年の2016年度の入試から、多くの大学が、2020年度の大学入試改革や次期学習指導要領を見越して、はやくも各大学個別の独自入試を創意工夫してます。全面的変化とはいかないまでも、2020年度の大学入試改革が、来年からの大学受験生にも無視できない、影響が出てきたのです。


名古屋大学法学部の強烈な問題

 では、2020年度の大学入試はもちろん、来年度からの入試の変化のヒントになりそうな大学入試問題を、2016年度入試から紹介してみましょう。
 名古屋大学法学部前期試験の小論文は、圧巻です。
 まず10,000字以上もある、憲法学者の専門的な講演録「国家・主権・地域―あるいは言葉の信じられない軽さについて」(石川憲治著)を読破したうえで、2つの問いについて論述を求められる問題です。新学習指導要領のコアでもある学力の3要素「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」をフル稼働しなければならないタイトな問題だと思います。

 問1 筆者は、「主権国家・非主権国家・自治体」という三元的な国家把握が、どのようにして形成された考え方だと述べているか。400字以上600字以内で説明しなさい。

 従来からあるタイプの小論文問題との違いは何でしょう?
 たしかに、問1はある意味、要約問題です。そして問2は、その要約を前提に、自分の考えを述べるというスタイル。今までと大きく変わりません。
 しかし、求められる要約からして、大きく違うのです。
 これは受験生に、自分が生きている時代が、もはや伝統的な国家把握ではとらえられない構造変動の時代に位置していることを振り返るところから始めているのであり、文章の要約と言うより歴史的な流れの要約をしなければなりません。

 それではあなたはどう考えるのか、伝統的な考えは実際通用しなくなっているのではないかと突きつけ、さああなたはどうするのか、どう生きていくつもりなのかを問うているのです。
 あなたの「自分軸」を示しなさいと要求する強烈な問題なのです。
 従来の小論文の場合、すでにいくつかの選択肢があって、どちらを選ぶのか、理由も考えて解答する類のものが多く、そこには「自分軸」がなくてももっともらしいことが書けました。
 しかし、18歳以上に選挙権を付与されるという現実的な変動の時代に直面している受験生にとって、自分たちの国のカタチをどうとらえるのか、どう創っていくのか思考し判断するための「自分軸」づくりは待ったなしの時代がやってきたのです。

 昨年の文部科学省の審議会「高大接続システム改革会議」以来、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」と「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のサンプル問題が公開され、大いに注目を浴びています。
 その中で、最も重要な点は、大学入試センター試験が廃止されることによって、これらの新テストの形式はどうなるのかという行方ですが、それは、2つの「記述」式問題を新たに設定するということです。
 先ほどの「自分軸」を表現する問題は「自由度の高い記述」です。「各大学個別の独自入試問題」はこのパターンが増えるでしょう。「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」を問う様々な問題の中に、“Who are you ?”と受験生の価値観を問うような問題が姿を変えて設定されることになるのです。


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読書講座(第2回)をおえて [千春・永澤]

冬休みにおこなった読書講座は、長文を集団で音読する子供たちの真剣なまなざしや、
他学年の子供たちが、素朴に感じたことを遠慮なく口にする、何とも楽しい授業でした。

また今回取り上げた2冊については、子供達のみならず、お母様方からも「引き込まれるように読んだ…」という声を多数いただいたこと、大変嬉したったです。

ご両親が好きなものに、子どもは必ず興味を持ちます。そして、自分が好きなことに、ご両親や私たちが
興味をもつことで、「好き!」という気持ちは更に膨らみ、いずれは自分自身を支える力をも育くむことに発展していきます。私たちも上から目線にならず、子供たちと共に読書を楽しみむ気持ちを忘れないぞ…と、改めて思う講習でした。

トゥッティは国語力を育てる事に、これからも力を注いでいきます。
以下に記した、永澤講師のレポートを是非お読みください。             田村千春


こんにちは。 読書講座担当の永澤です。

この冬期休暇中、夏に引き続き、第二回読書講座を開催しました。 物語文コースでは、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を、 説明文コースでは、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を取り上げ、一緒に 内容を読み込んでいきました。

ディケンズの小説は、100年以上前のイギリスで書かれたものです。 そのため、現代日本に住むわたしたちには、少しばかりわかりにくい表現もあったことでしょう。 たとえば、幽霊の話をするとき、話をわかりやすくするため、ところどころシェイクスピアをはじめとする西洋の有名な本からの引用があったり、外国語独特の言い回しなどがあり、少し難しい表現がありました。

とはいえ、お話の本筋自体は、いじわるなスクルージじいさんが幽霊を通じて、自分の生き方を見つめなおすという、とても明快でおもしろい話だったので、みんな楽しくついてきてくれたと感じています。

たとえば、スクルージの前に現れたマーレイの幽霊に鎖がじゃらじゃら巻きついていて、「お前も人にやさしくしないと、俺のようになるぞー」と警告するシーンは、みんな驚きつつも、楽しく読めていたのではないでしょうか。あのシーンには、人が生きていくうえで、直面する教訓が詰まっています。 なぜ鎖が長くなるのか??という問いかけに対し、みんなそれぞれ想像力を膨らませていたと感じています。

次に、説明文コースで取り上げた吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』。 この本は、「あたりまえ」を疑う、ということを説きます。 ふだん、わたしたちは、たくさんの「あたりまえ」に囲まれて生きています。 たとえば、コンビニやスーパーでお金を払えば、あたりまえのように品物を買うことができますね。町にでれば、あたりまえのように警察官がぼくらの安全を守ってくれますし、小学生や中学生は学校へ行くのがあたりまえ、いや、そもそも「学校」という場所があること自体があたりまえのように思えるかもしれません。

しかし、決してそうではありません。

お金を使って、何不自由なく物を買うことができるのは、ぼくたちの生きる世界が基本的には、「資本主義」(分からない人は社会の教科書で調べてください)という仕組みをとっているからです。 もし、資本主義のしくみがうまくいっていなかったり、この社会が別のしくみを採用していたら、ぼくらはお店で物を買うことができないかもしれません。「お金」自体も、いま僕たちが使っている野口英世などが印刷されている「円」のようにうまく社会の中で出回っているものもあれば、ジンバブエという国のお金(ジンバブエ・ドル)のように、人々がお札をゴミ箱に捨ててしまうくらい価値がなくなり、機能しなくなることもあります。また、僕たちの安全はおまわりさんによって守られており、学校では当たり前のように勉強できていますが、よその国を見てみると、「警察」や「学校」というものがない国もあります。ほかの国にないものが、なぜか、日本にはある。

これはいったい、どうしてなのか??

吉野源三郎『君たちはどう生きるか』では、このような僕らの身の回りにひしめいている疑問や不思議を徹底的に掘り下げていきます。社会の中にある「あたりまえ」をうたがい、その原因や理由を考える方向へ、読者をやさしくみちびきます。

「だからねえ、コペル君、あたりまえのことというのがくせものなんだよ。 わかりきったことのように考え、それでとおっていることをどこまでも追っかけて 考えていくと、もうわかりきったことだなんて、いられないようなことにぶつかるんだね」 (吉野源三郎『君たちはどう生きるか』p87)

昨今、「読解力」というものが、若い世代を中心に低下してきているということが、言われています(といっても、私よりずっと前の世代から言われてきたことですが)。しかし、この読解力というものが実際どういうものなのかを考えると、この吉野源三郎の本に書かれているように、ものごとを「批判的」にみる力を養うだともいえます。

今回、本来は小学校上級生向けにしていた説明文コースには、なんと小3の子が参加してくれました。 その子は、すこしハードな内容でしたが、この本は一回読んでおしまいにしてしまうのは、もったいない本です。
講座に参加していた子は、少し間を置いて、また読み返してください。参加していなかった子も、是非とも手に取って読んでみてください。

また春に講座で会いましょう。

読書講座を終えて [千春・永澤]

読書講座を終えて、ご挨拶とご報告、

かねてから、「国語力を鍛えることが全ての学習につながる」と、
問題文を自分で何度も読み、その内容を読み解く力を育てる方針で各授業を行ってまいりました。

と同時に、勉強の枠を超えて、普段、自分が手にする本より、ほんの少し年上の子が読むような、語彙が豊富で、ストーリー性の高い優れた本を皆で読み解き、その面白さを子供たちの視点で、議論するような「トゥッティ読書会」を開きたいと準備を進めてきました。

人は言葉を介して先人の知恵を後世に残し、活かすことはもちろん、人と人の心もかかわりも、すべて言葉
に置き換え表現、共有していきます。活字離れが問題となる現状を憂いてばかりはいられませんね。

また、中受で取り上げられる高度な水準のすぐれた作品を、「国語を伸ばすのは時間がかかる」「国語より最後は社会で採る」などと、ご都合主義で語らないためにも、中受の問題として出会う前に、優れた文章に触れ、理解し、その感想を書くことを、純粋に楽しみたいと思います。

永澤講師が、昨日、参加者全員の感想文の添削を終えました。ふたりで、子どもならではの発想に唸ったり、大笑いした時間がとても楽しかったです。
きっと、永澤講師の「何を感じてもいい、文章を書くことに自信を持てるように…」と
願う気持ちが、子供たちに伝わることを祈っています。
                                                     室長・田村千春    

こんにちは。国語力養成講座を担当しました、永澤です。

今夏は3~6年生対象に、全4回講座をおこないました。
『星新一のすこし不思議傑作選』『ゲド戦記』『星の王子さま』『子どものための哲学対話』などを課題図書に、みんなで内容を読み進めてきました。

”読書”そのものを目的とする講座は、他の塾でもなかなか見られない試みだったため、担当者としても 子供たちがどのように受け取ってくれるか未知数なところがありました。
本を読み、それを通じて感じたことをアウトプットするという行為は、読書感想文を苦手とする子どもが多いことからも実感されるように、あまり楽しいものと思われていないからです。

しかし、実際に講座をおこなってみて、子どもたちがとても楽しく受けてくれて、驚きました。

5,6年生の授業では『ゲド戦記』を二回にわたって読みました。
ゲドが、自分の未熟さゆえに自らの”影”と戦いを強いられ、最後にその影と正面から向き合うシーンはとても難解で奥深いものでしたが、みんなきちんと話についてきてくれました。

3~4年生のクラスでも、みんなワークシートの感想文を一生懸命書いてくれました。
『星の王子さま』は、おそらく、3~4年生のみなさんは、まだあまり触れたことないような高度なお話だったと思います。
バオバブの木の話、キツネとの友情の話、バラに対する愛情の話。

ワークシートの感想文を読んでみると、みんな驚くほど物語の本質を的確につかんで、じぶんの感じたことを一生懸命、言葉にしてくれていました。

王子さまが、キツネやバラの花とお別れする悲しいシーンでは、みんな自分の体験や想像をもちいて、
自由に感想を書いてくれました。中には「キツネがしゃべったり、泣いたりするのが不思議です」
と書いてくれた子もいて、「その視点があったか!」と大人にはない視点にくすりとしてしまいました(笑)

小学生の、特に低学年くらいの年齢では、文章を書くテクニックをたくさん身につけるよりも、
文章から読み取ったことを楽しく書くことのほうが、ずっと大事です。
強制されて義務的に書いた文章よりも、ほんとうに物語から感じたの”おもしろさ”を書きだそう
としている文章には、伝わってくる力があります。
今回は、何人もの子にそれが見られて、とても嬉しく思っています。

今回5,6年生の講座で読んだ本の中には次のような箇所がありました。
「根が明るい人っていうのはね、いつも自分の中では遊んでいる人ってことだよ。
勉強しているときも、仕事しているときも、なにか目標のために努力しているときも、
なぜかいつもそのこと自体が楽しい人だな。」(永井均『子どものための哲学入門』)

宿題になっているから、受験で指定科目になっているから、という理由だけで
本や文章を読んだり書いたりするというのは少しさびしいことです。
みなさんには、文章をきっかけに「遊ぶ」ことができる人になってほしいと思います。

また冬に、別の本で読書講座をひらく予定です。
みなさんにまた会えることをお待ちしています!!  永澤佳祐

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